龍を倒すのに武器が必要になった。
2人の鍛冶師に龍を倒す剣を作るよう頼んだ。
手元には銅鉱がある。叩いても叩いてもなかなか剣にはならない銅鉱だ。
「その銅鉱を使っても良いし、捨てても良い。お金は同じ分出すから、半年で龍を倒すための剣を作って欲しい。」
ひとりの鍛冶師は、費用を浮かせるためにその銅鉱を使って剣を作った。
叩いても叩いても剣にならなかったので、色々な方法を試すハメになった。まともな剣の形になるのに半年かかった。結局もらった資金はすべて使い果たしてしまった。
剣を作っている間、別の仕事の依頼を受けることができなかったため、その鍛冶師は廃業してしまった。
もうひとりの鍛冶師は、もらった銅鉱に早々に見切りを付けた。
その代わり、腕に覚えのある戦士を雇った。
「3つ山を越えた先のほこらにあるという、ドラゴンスレイヤーをとってきて欲しい」そう頼み、旅をするのに十分な資金を渡した。
半年後――鍛冶師はドラゴンスレイヤーを手に入れた。もらった資金はすべて使い果たしてしまったが、自分の仕事は普段と変りなくこなすことができた。
剣の依頼主はドラゴンスレイヤーを使って龍を倒した。
銅の剣は、最初の一太刀で脆くも折れてしまった。
ドラゴンスレイヤーを渡した鍛冶師は讃えられ、商売は繁盛した。